工場の空調設備では、冷房や暖房に使用する水を各設備へ送るために、冷温水配管が使用されています。
冷温水配管に水漏れや腐食が発生すると、空調能力の低下だけでなく、床や天井の水濡れ、生産設備への影響、設備停止などにつながる可能性があります。
配管から水が落ちていても、必ずしも配管内部から漏れているとは限りません。保温材の劣化によって発生した結露が、水漏れのように見えることもあります。
この記事では、富山県で工場の冷温水配管の補修・改修・更新を検討している方へ、水漏れや腐食が起こる主な原因、点検時の確認項目、部分補修と配管更新の判断基準を解説します。
工場の冷温水配管とは
冷温水配管とは、熱源設備で冷やした水や温めた水を、空調機やファンコイルユニットなどへ循環させるための配管です。
冷房時には冷水、暖房時には温水を送り、室内や作業場所の温度を調整します。
工場では、従業員が働く空間の冷暖房だけでなく、製品や原材料の温度管理、生産設備から発生する熱への対策などにも空調設備が使用されます。
そのため、一般的な建物よりも配管経路が長くなったり、複数の設備へ分岐したりする場合があります。
冷温水配管に不具合が起こると、配管の先にある複数の空調設備へ影響が広がる可能性があるため、早めの点検が重要です。
工場で使用される空調配管全体の違いについては、工場の空調配管の種類|冷媒・冷温水・ドレン配管を解説【富山県】もご覧ください。
冷媒配管・ドレン配管との違い
工場の空調設備には、冷温水配管以外にも冷媒配管やドレン配管があります。
冷温水配管
冷水や温水を空調設備へ循環させる配管です。配管内部を水が流れるため、腐食や継手の劣化などによって水漏れが発生することがあります。
冷媒配管
室内機と室外機などの間で、冷媒を循環させる配管です。冷媒が漏れると、冷房や暖房の効きが悪くなる可能性があります。
ドレン配管
冷房運転によって発生した結露水を、排水先まで運ぶ配管です。詰まりや勾配不足があると、室内機や天井から水が漏れることがあります。
水漏れの原因を調べるときは、どの配管から水が出ているのかを確認する必要があります。
ドレン配管の水漏れについては、空調ドレン配管の水漏れはなぜ起こる?工場で多い原因と改修方法【富山県】で詳しく解説しています。
冷温水配管から水漏れが起こる主な原因
配管内部の腐食
金属製の配管は、使用環境や水質、経過年数などによって内部から腐食することがあります。
腐食が進むと配管の肉厚が薄くなり、小さな穴が開いて水が漏れる場合があります。外側から見ただけでは、内部の腐食状況を判断できないこともあります。
同じ系統で水漏れを繰り返している場合は、漏れている部分だけでなく、周辺の配管にも腐食が進んでいないか確認が必要です。
配管外面の腐食
配管の外側でも腐食が進むことがあります。
特に注意したいのが、保温材の内部へ水分が入り込み、配管表面が長時間湿った状態になるケースです。
保温材に覆われている配管は外側の状態を確認しにくいため、保温材を外して初めて腐食が見つかることもあります。
天井からの雨漏り、洗浄水、結露水などが保温材へ染み込んでいる場合は、配管本体と保温材の両方を確認します。
継手・フランジ・バルブ周辺の劣化
配管同士を接続する継手、フランジ、バルブ周辺から水が漏れることもあります。
ガスケットやパッキンの劣化、ボルトの緩み、接続部分のずれなど、原因はさまざまです。
接続部分だけの不具合であれば部分補修で改善できる可能性がありますが、配管本体の腐食や変形が関係している場合は、周辺を含めた交換が必要になることがあります。
温度変化による伸縮
冷温水配管は、内部を流れる水の温度によって膨張と収縮を繰り返します。
温度変化による動きを適切に吸収できない状態では、継手や溶接部分、支持金物などに負担がかかる可能性があります。
配管の振動、異音、支持金物の変形などが見られる場合は、配管ルートや支持方法を含めて確認する必要があります。
ポンプや設備から伝わる振動
冷温水を循環させるポンプや接続機器の振動が、配管へ伝わることがあります。
長期間にわたって振動が加わると、接続部分の緩みや金属疲労、不自然な配管の動きにつながる可能性があります。
水漏れ箇所だけを修理しても、振動の原因が残っていれば再発することがあるため、ポンプや支持金物を含めた確認が必要です。
凍結による配管の破損
冬季に気温が低下する富山県では、屋外や暖房のない場所を通る配管の凍結にも注意が必要です。
配管内部の水が凍ると体積が増え、配管や継手が破損する可能性があります。
屋外配管、外気が入りやすい場所、長期間使用しない系統では、保温状態や凍結防止対策を確認します。
水漏れではなく結露している場合もある
冷温水配管の表面温度が周囲の空気より低くなると、空気中の水分が配管表面で水滴になることがあります。
通常は保温材によって結露を抑えますが、次のような状態では結露が発生しやすくなります。
- 保温材が破れている
- 保温材に隙間がある
- 継手やバルブ周辺の保温が不足している
- 保温材がずれている
- 保温材の内部へ水が入り込んでいる
- 工場内の温度や湿度が高くなっている
- 設備の運転条件が以前と変わっている
結露水が保温材を伝って別の場所から落ちると、実際の発生場所を特定しにくくなります。
配管本体からの漏水なのか、保温材表面の結露なのかによって必要な工事が変わるため、外観だけで判断せず、配管と保温材の両方を点検することが重要です。
冷温水配管の異常を疑うサイン
次のような症状が見られる場合は、冷温水配管や周辺設備に不具合が起きている可能性があります。
- 配管や継手から水がにじんでいる
- 床や天井に原因不明の水たまりがある
- 保温材が濡れている
- 保温材に変色や膨らみがある
- 配管表面に錆が発生している
- 継手やバルブ周辺に白い付着物や錆汁がある
- 配管から異音や振動が発生している
- 冷暖房の効きが以前より悪くなった
- ポンプの運転時間や補給水量が増えた
- 同じ場所で水漏れを繰り返している
- 設備の圧力が安定しない
- 水漏れ警報や設備のエラーが発生している
水が少量しか出ていなくても、内部で腐食が広がっている場合があります。
漏れている箇所へテープを巻くなどの応急処置だけで使い続けず、設備管理者や専門業者へ相談してください。
冷温水配管の水漏れを放置するリスク
空調能力が低下する
配管から水が漏れて循環水量が不足すると、空調機へ必要な冷水や温水を送れなくなる可能性があります。
空調能力が低下すると、作業環境や製品の温度管理に影響する場合があります。
生産設備や電気設備へ水がかかる
水漏れした場所の下に生産設備、制御盤、電気配線、製品などがある場合は、被害が広がるおそれがあります。
電気設備付近で水漏れしている場合は、感電や設備故障の危険もあるため、工場の安全手順に従って対応してください。
配管の腐食が広がる
漏れた水が別の配管や支持金物、建物の部材へ伝わると、周辺の腐食を進める可能性があります。
保温材の内部に水が残っている場合は、外側から見えない場所で腐食が進むこともあります。
突発的な設備停止につながる
小さな漏れを放置すると、配管の破損範囲が広がり、予定していない設備停止が必要になる場合があります。
工場への影響を抑えるためには、不具合が小さい段階で点検し、定期修繕や設備停止期間に合わせて工事を計画することが重要です。
点検時に確認するポイント
冷温水配管の点検では、水が落ちている場所だけでなく、配管系統全体と周辺設備を確認します。
主な確認項目は次のとおりです。
- 配管本体に錆・変色・膨らみがないか
- 継手・フランジ・バルブから水がにじんでいないか
- 溶接部分に異常がないか
- 保温材に破れ・隙間・水濡れがないか
- 配管表面に結露が発生していないか
- 配管や支持金物に不自然な振動がないか
- 支持金物に緩み・変形・腐食がないか
- 配管に無理な荷重がかかっていないか
- ポンプや空調設備が正常に運転しているか
- 圧力や温度に異常な変化がないか
- 過去に補修した箇所で再発していないか
- 設備増設後も必要な流量を確保できているか
配管が天井内や高所、機械の裏側などにある場合は、無理に確認しようとせず、必要な安全対策を行える業者へ依頼してください。
部分補修が適しているケース
不具合の原因と範囲が明確で、周辺の配管に大きな劣化が見られない場合は、部分補修で対応できる可能性があります。
- 継手やバルブの一部だけに不具合がある
- ガスケットやパッキンが劣化している
- 保温材の一部分だけが破損している
- 局所的な結露が発生している
- 配管の一部分だけが損傷している
- 支持金物の一部に緩みや変形がある
- 不具合の原因を特定できている
ただし、漏れている部分だけを交換しても、同じ系統の配管に腐食が広がっていると、水漏れを繰り返す可能性があります。
補修範囲を決める前に、周辺配管の状態も確認することが大切です。
配管更新を検討したいケース
次のような場合は、部分補修だけでなく、配管の更新やルート変更を検討します。
- 複数箇所で水漏れが発生している
- 同じ系統で補修を繰り返している
- 配管全体に腐食が広がっている
- 保温材の内部で外面腐食が進んでいる
- 継手やバルブを含めて劣化している
- 配管の振動や変形が大きい
- 設備の増設後から空調能力が不足している
- 現在の配管ルートでは点検や補修が難しい
- 空調設備やポンプの更新を予定している
- 工場の改修に合わせて配管系統を整理したい
部分補修を繰り返す場合は、補修費用だけでなく、設備停止や再発のリスクも含めて比較する必要があります。
工場配管全体の更新時期については、工場の配管更新はいつ必要?劣化サイン・工事方法・停止時間を解説もご覧ください。
冷温水配管の改修・更新工事の流れ
1.現場確認
水漏れの場所、配管経路、設備の運転状況、作業スペース、周辺設備などを確認します。
配管図面や設備資料がある場合は、現場の配管と照合します。
2.原因と工事範囲の確認
配管本体、継手、バルブ、保温材、支持金物、ポンプなどを確認し、不具合の原因と影響範囲を整理します。
3.施工方法の検討
部分補修、配管の一部更新、系統全体の更新、ルート変更などから、現場条件に合った方法を検討します。
工場の稼働状況や作業可能時間も確認し、必要に応じて工事を複数回に分けます。
4.配管の製作・加工
図面や現場寸法をもとに、必要な配管を製作・加工します。
事前に製作できる部分を準備しておくことで、現場での作業時間を短縮できる場合があります。
5.既設配管の撤去と新しい配管の取付
対象となる系統を停止し、安全を確認したうえで既設配管を撤去します。
新しい配管、継手、バルブ、支持金物などを取り付けます。
6.確認・試運転
施工後は、接続部分から漏れがないか、配管に異常な振動がないか、空調設備が正常に運転するかを確認します。
必要な確認方法は、配管の仕様や設備条件によって異なります。
7.保温材の施工
配管の確認後、用途や使用条件に合わせて保温材を施工します。
継手やバルブ周辺を含めて隙間なく施工し、結露や熱損失を抑えます。
工場の停止時間を抑えるためのポイント
冷温水配管の更新では、対象となる空調設備や配管系統を停止する必要があります。
工場への影響を抑えるためには、施工前の準備が重要です。
- 配管図面と現場の状態を事前に確認する
- 停止する設備と影響範囲を整理する
- 作業可能な日時を施工業者と共有する
- 必要な材料や配管を事前に準備する
- 現場で加工する範囲を減らす
- 工事を複数の系統に分けて進める
- 定期修繕や休日、設備停止期間に合わせる
- 試運転と復旧に必要な時間を確保する
- 他の設備工事と工程を調整する
短時間での工事を優先しすぎると、確認や試運転の時間が不足する可能性があります。
施工時間だけでなく、停止作業、排水、撤去、取付、試運転、保温、復旧まで含めて工程を検討することが大切です。
水漏れや腐食を予防するための対策
冷温水配管のトラブルを完全に防ぐことは困難ですが、定期的な確認によって不具合を早期に発見しやすくなります。
- 配管や継手に水のにじみがないか確認する
- 保温材の破れや変色を確認する
- 床や天井に水染みがないか確認する
- 配管や支持金物の錆を確認する
- 異音や振動が発生していないか確認する
- 圧力や温度の変化を記録する
- 補給水量の増加がないか確認する
- 過去の補修履歴を残す
- 空調設備の更新時に既設配管も点検する
- 長期休止する配管の凍結対策を確認する
日常点検で異常を見つけた場合は、発見日時、場所、設備の運転状況、水量、写真などを記録しておくと、施工業者へ状況を伝えやすくなります。
工事業者へ相談するときに伝える情報
冷温水配管の補修や更新を相談するときは、次の情報を整理しておくと現場確認が進めやすくなります。
- 工場や施設の所在地
- 水漏れや結露が発生している場所
- 発生した時期と頻度
- 水量や水の色
- 配管の用途
- 配管の材質や口径
- 冷水・温水のおおよその温度
- 設備の運転時間
- 配管図面や設備資料の有無
- 過去の補修履歴
- 空調設備やポンプの増設・交換履歴
- 希望する工事時期
- 設備を停止できる時間
- 高所作業や衛生管理などの現場条件
- 水漏れ箇所と周辺設備の写真
すべての情報が分からなくても相談は可能です。現場写真や設備の型式だけでも、確認を進める手がかりになります。
富山県で冷温水配管の補修・更新をご検討の方へ
株式会社椎名設備工業では、富山県・石川県を中心に、工場・各種施設・事業所の空調配管工事に対応しています。
冷温水配管をはじめ、冷媒配管、ドレン配管など、設備の仕様や現場条件を確認したうえで、配管の製作・加工・取付、改修・更新を行います。
既設設備との取り合い、限られた作業スペース、稼働中施設での施工などを踏まえ、現場に合った施工方法を検討します。
対応する工事については、業務内容および施工実績をご覧ください。
よくある質問
- 配管から落ちている水が、漏水か結露か分かりません
-
漏水と結露は、外観だけでは判断できない場合があります。保温材の状態、配管表面、継手、設備の運転状況などを確認して原因を調べます。
- 保温材を交換すれば水漏れは直りますか?
-
結露が原因であれば、保温材の補修や交換で改善する可能性があります。ただし、配管本体や継手から漏れている場合は、配管の補修・交換が必要です。
- 一部分だけ補修できますか?
-
不具合の範囲が限定され、周辺配管に大きな劣化がなければ、部分補修で対応できる可能性があります。同じ系統で水漏れを繰り返している場合は、広い範囲の点検が必要です。
- 工場を稼働させながら工事できますか?
-
工事範囲や配管系統によって異なります。工事に必要な停止範囲を確認し、休日や設備停止期間を利用する方法、工事を複数回に分ける方法などを検討します。
- 空調設備の更新時に配管も交換したほうがよいですか?
-
既設配管の状態、材質、使用年数、設備仕様によって判断が異なります。新しい設備との接続条件や必要流量も含めて確認し、継続使用・部分更新・全体更新を検討します。
- 配管図面がなくても相談できますか?
-
図面がない場合でも、現場確認や写真、設備情報などから調査を進められる場合があります。分かる範囲で配管の用途や不具合の状況を伝えてください。
まとめ
工場の冷温水配管から水漏れが起こる主な原因は、配管の内外面腐食、継手やバルブの劣化、温度変化による伸縮、設備から伝わる振動、凍結などです。
保温材の破損や隙間によって発生した結露が、水漏れのように見える場合もあります。
同じ場所で補修を繰り返している場合や、複数箇所に腐食が見られる場合は、漏れている部分だけでなく、配管系統全体を確認することが重要です。
工場の稼働への影響を抑えるためにも、異常が小さい段階で点検し、定期修繕や設備停止期間に合わせて改修・更新を計画しましょう。
富山県・石川県で工場の冷温水配管の水漏れ調査、部分補修、改修・更新をご検討の方は、株式会社椎名設備工業のお問い合わせページよりご相談ください。

