富山県には多くの医薬品メーカーや製造拠点があり、医薬品産業は地域を支える重要な産業のひとつです。
製薬工場では、製造設備だけでなく、蒸気、給排水、空調、ポンプなどに関わる配管設備が工場の安定稼働を支えています。配管に漏れや腐食、圧力低下などが発生すると、設備停止や生産工程への影響につながる可能性があるため、計画的な点検・補修・更新が重要です。
この記事では、富山県で製薬工場の配管工事を検討している方へ、主な工事内容や改修・更新を検討するサイン、施工会社へ依頼する際の確認ポイントを解説します。
富山県における製薬工場と配管工事
富山県は「薬都とやま」として知られ、医薬品メーカーや製造所が数多く集積しています。
富山県の公表情報によると、県内には医薬品メーカー約80社、100を超える製造所があります。医薬品の製造を支えるためには、製造設備だけでなく、蒸気、給排水、空調、ポンプなどの関連設備を安定した状態に保つことが欠かせません。
配管設備は目立ちにくい部分ですが、工場の稼働や製造環境を支える重要な設備です。新設工事だけでなく、設備の増設、老朽化した配管の更新、ポンプ交換に伴う配管変更など、工場の状況に合わせた工事が必要になります。
製薬工場で行われる主な配管工事
製薬工場の配管工事は、配管内を流れるものや設備の用途によって、必要な材料、接続方法、施工条件が異なります。
ここでは、製薬工場で行われる代表的な配管工事を紹介します。
蒸気配管工事
蒸気配管は、加熱、洗浄、殺菌、空調など、工場内のさまざまな設備で使用されます。
高温の蒸気を扱うため、配管の材質や口径だけでなく、熱による伸縮、保温、ドレンの排出、配管支持などを考慮する必要があります。
蒸気漏れ、異音、振動、保温材の変色などが見られる場合は、配管やバルブ、継手などに不具合が発生している可能性があります。
給排水・衛生配管工事
製薬工場では、設備への給水や排水、洗浄設備、手洗い設備などに関わる給排水・衛生配管も必要です。
排水管では、流すものの性質、温度、流量などを確認し、適切な配管経路や勾配を確保します。配管の詰まりや腐食、接続部分からの漏れが発生している場合は、部分補修または配管更新を検討します。
ポンプ交換に伴う配管工事
水中ポンプ、真空ポンプなどの交換では、ポンプ本体だけでなく、接続する配管やバルブ、フランジ、支持金物などの確認も必要です。
既存設備と新しいポンプで接続位置や寸法が異なる場合は、現場条件に合わせて配管を製作・加工し、取り付けます。
空調設備に関わる配管工事
製薬工場の製造環境や作業環境を維持するため、空調設備に関わる配管も重要です。
冷温水配管、冷媒配管、ドレン配管など、設備の仕様や運転条件に合わせた施工が必要になります。結露、ドレン漏れ、保温材の劣化などが見られる場合は、配管と周辺設備を含めた確認が必要です。
一般的な工場配管との違い
製薬工場では、製造する医薬品や設備の用途によって、工場ごとに異なる管理基準や施工条件が定められています。
医薬品製造所では、GMPに基づく製造管理・品質管理が行われ、構造設備の定期的な点検整備や記録の保管なども求められます。
参考:医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準|厚生労働省
そのため、製薬工場の配管工事では、通常の施工品質に加えて、次のような点への配慮が必要です。
- 工場内の衛生管理
- 製造区域への資材や工具の持ち込み方法
- 粉じんや異物の発生防止
- 既存設備や製造工程への影響
- 工事区域と製造区域の区分
- 施工前後の清掃
- 検査方法や施工記録
- 工場独自の安全基準や入場ルール
実際に必要な対応は、配管の用途や工場の管理基準によって異なります。工事前に発注者、設備担当者、施工会社の間で条件を明確にすることが重要です。
配管の改修・更新を検討したいサイン
配管は設置からの年数だけでなく、使用する流体、温度、圧力、設置環境、稼働時間などによって劣化の進み方が変わります。
次のような症状が見られる場合は、配管の状態を確認しましょう。
- 配管や継手から漏れが発生している
- 配管表面にサビ、膨れ、変色がある
- 保温材が濡れている、または変色している
- 配管や設備から異音・振動が発生している
- 圧力や流量が安定しない
- 同じ場所で補修を繰り返している
- バルブやポンプ周辺で不具合が発生している
- 設備の増設や製造条件の変更を予定している
配管の劣化については、工場の配管更新はいつ必要?劣化サイン・工事方法・停止時間を解説でも詳しく紹介しています。
製薬工場の配管工事を依頼する際の確認ポイント
配管の用途と運転条件
最初に、配管内を流れるもの、温度、圧力、必要流量、運転時間などを確認します。
同じ配管工事でも、蒸気、水、排水、空気などによって、必要な材質や接続方法が異なります。
新設・補修・更新の範囲
工事内容が、新設、部分補修、一定範囲の更新、設備交換に伴う配管変更のどれに該当するかを整理します。
不具合が一部だけに見えても、周辺の配管にも劣化が進んでいる場合があります。補修箇所だけでなく、配管系統全体の状態を確認したうえで工事範囲を決めることが重要です。
工場の稼働状況と施工可能時間
稼働中の製薬工場では、設備を停止できる時間が限られる場合があります。
工事可能な曜日や時間、停止できる設備、ほかの工事との調整などを事前に確認します。必要に応じて、事前製作や段階的な施工を検討します。
図面と現場の状況
既存図面がある場合でも、設備の増設や過去の改修によって、現在の配管状況と異なっていることがあります。
現地調査では、配管ルート、接続位置、作業スペース、搬入経路、既存設備との取り合いなどを確認します。
配管の製作・加工体制
現場での作業時間を抑えるため、事前に配管を製作・加工できるかも重要な確認事項です。
図面と現地寸法をもとに配管を製作し、現場では接続や取付を中心に進めることで、施工時間や設備停止時間を抑えやすくなります。
検査・記録の範囲
工事完了後に必要となる検査や記録についても、事前に確認します。
漏れ確認、試運転、施工写真、使用材料、検査結果など、必要な提出物は工場や工事内容によって異なります。見積もりの段階で、工事範囲と提出書類を明確にしておきましょう。
製薬工場における配管工事の流れ
一般的な配管工事は、次の流れで進みます。
- 工事内容や設備状況の聞き取り
- 図面・仕様書などの確認
- 現地調査
- 工事範囲と施工方法の検討
- 見積もり
- 工程・安全対策の調整
- 配管の製作・加工
- 既設配管の撤去・新しい配管の取付
- 漏れ確認・試運転
- 清掃・引き渡し
工場の稼働状況や管理基準によっては、工事前の申請、入場教育、養生、作業後の清掃確認などが追加されます。
施工会社を選ぶ際に確認したいこと
製薬工場の配管工事を依頼する際は、価格だけでなく、工場設備への対応力や施工体制も確認しましょう。
- 工場・プラント施設での施工経験があるか
- 蒸気配管や設備配管に対応できるか
- 配管の製作・加工から現場取付まで対応できるか
- 稼働中施設の工程調整に対応できるか
- 保有資格や安全管理体制が確認できるか
- 見積書に工事範囲が明記されているか
- 検査や試運転まで対応範囲に含まれているか
椎名設備工業の保有資格については、資格一覧でご案内しています。
椎名設備工業の製薬工場における施工実績
株式会社椎名設備工業では、富山県を中心に、工場・各種施設の配管工事・設備工事を行っています。
製薬工場では、これまでに次のような工事を施工しています。
- 水中ポンプ工事
- 真空ポンプ取替工事
- 蒸気配管工事
図面確認、配管の製作・加工、現場での取付、改修・更新まで、現場条件に合わせて対応します。
そのほかの工事については、施工実績をご覧ください。
よくある質問
- 図面がない場合でも相談できますか?
-
既存図面がない場合でも、現場の状況や分かる範囲の情報をもとにご相談いただけます。
現地調査の可否や必要な資料について、工事内容に応じてご案内します。
- 工場を稼働したまま工事できますか?
-
工事箇所や設備の状況によって異なります。
稼働中に施工できる範囲と、設備停止が必要な作業を整理し、工場の工程に合わせて施工方法を検討します。
- 相談時には何を伝えればよいですか?
-
次の情報があると、確認やご案内がスムーズです。
- 工場の所在地
- 工事を検討している設備
- 新設・補修・更新の区分
- 現在発生している不具合
- 希望する工事時期
- 図面や仕様書の有無
- 設備を停止できる時間
- 現場写真
すべて決まっていない場合でも、分かる範囲でご相談ください。
まとめ
製薬工場の配管工事では、配管の用途、温度、圧力、工場の稼働状況、衛生管理、検査・記録など、さまざまな条件を確認する必要があります。
漏れや腐食などの不具合が発生している場合だけでなく、設備の増設、ポンプ交換、製造条件の変更を予定している場合も、既存配管の状態や能力を確認することが重要です。
株式会社椎名設備工業では、富山県・石川県を中心に、工場・各種施設の配管工事を承っています。蒸気配管、ポンプ交換に伴う配管工事、既設配管の改修・更新、配管の製作・加工・取付については、お気軽にご相談ください。
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